鉛管(なまりかん)について

収益物件の売買で鉛管を使用していたケースがありました。

注意点等、まとめましたので是非参考にしてみてください。

1. 鉛管とは?

鉛管は、水道管の素材としてかつて広く用いられていた金属製の管です。柔軟性と耐久性に優れ、加工がしやすいという利点から、1970年代頃まで日本の水道管の主流でした。しかし、近年では鉛が人体に与える健康被害が懸念されるようになり、鉛管の使用は原則禁止されています。

2. 鉛管のメリット

鉛管には、以下のようなメリットがあります。

  • 柔軟性と耐久性:鉛は柔らかい金属であるため、曲げ加工が容易で、複雑な配管にも対応できます。また、腐食に強いため、長持ちすると言われています。
  • 加工性:鉛は加工がしやすい金属であるため、現場での調整や修理が容易です。
  • 耐熱性:鉛は高い耐熱性を持ち、高温の水にも対応できます。

3. 鉛管のデメリット

鉛管には、以下のようなデメリットがあります。

3.1 健康への影響

鉛は人体にとって有害な重金属であり、脳や神経系の発達障害、腎臓障害、貧血などの健康被害を引き起こす可能性があります。特に、乳幼児や妊婦は鉛の影響を受けやすいと言われています。

3.2 法規制

鉛管の健康被害への懸念から、日本では水道法によって鉛管の使用が原則禁止されています。新築住宅への鉛管の使用は1970年代に禁止され、既存の鉛管についても、順次交換が進められています。

4. 鉛管を使用している場合の対策

ご自宅の水道管が鉛管かどうか不安な場合は、以下の方法で確認できます。

  • 水道メーターボックスを確認する:水道メーターボックス内の配管が、鈍い灰色の金属製であれば、鉛管の可能性があります。
  • 自治体に問い合わせる:お住まいの自治体の水道局に問い合わせれば、鉛管の使用状況を確認することができます。

ご自宅の水道管が鉛管であることが確認された場合は、以下の対策を検討しましょう。

4.1 水道水の鉛濃度測定

水道水の鉛濃度を測定することで、健康被害のリスクを判断することができます。自治体によっては、無料または低額で鉛濃度測定を実施している場合があります。

4.2 鉛管の交換

鉛管の健康被害を防ぐためには、鉛管を他の素材の管に交換するのが最も確実な方法です。ただし、交換には費用がかかります。

4.3 浄水器の設置

鉛除去効果のある浄水器を設置することで、水道水中の鉛濃度を低減することができます。ただし、浄水器の性能やメンテナンスに注意する必要があります。

5. まとめ

鉛管は、かつて広く用いられていた水道管の素材ですが、近年では健康被害への懸念から原則禁止されています。ご自宅の水道管が鉛管かどうか不安な場合は、自治体に問い合わせたり、水道メーターボックスを確認したりして、鉛管の使用状況を確認しましょう。鉛管を使用している場合は、水道水の鉛濃度測定、鉛管の交換、浄水器の設置などの対策を検討することをおすすめします。