信頼築く不動産売却：媒介契約の基本と選び方を解説！

2023年12月28日

不動産の売却を検討している場合、不動産会社に仲介を依頼する、もしくは不動産会社に直接買い取りしてもらうのが一般的です。仲介を依頼するときには、不動産仲介業者と物件の所有者との間で、不動産媒介契約が締結されます。この契約には、物件の売却を行う際の取引条件が明示されています。今回は、不動産媒介契約の基本情報や選び方について解説します。

媒介契約の種類

不動産媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つの種類があります。それぞれの契約の特徴を比較すると、以下のようになります。

項目	一般媒介契約	専任媒介契約	専属専任媒介契約
売主や貸主が他の不動産会社に仲介を依頼できるか	できる	できない	できない
売主や貸主が自ら売却を行うことができるか	できる	できる	できない
契約期間	法律上は定められていないが、一般的には3ヶ月以内	3ヶ月以内	3ヶ月以内
不動産会社による、売却に関する活動報告	法律上は定められていないが、報告を求めることができる	2週間に1回	1週間に1回

一般媒介契約

一般媒介契約は、売主が複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約です。そのため、複数の不動産会社から情報を収集し、広範な市場にアプローチすることができます。

専任媒介契約

専任媒介契約は、売主が他の不動産会社に仲介を依頼できない契約です。そのため1社に絞って依頼することになり、不動産会社との信頼関係が構築しやすいです。不動産会社側から見ても、他の不動産会社で売却が決まってしまうリスクがないため、一般媒介契約よりも広告宣伝に多くの予算を設定する傾向があります。また2週間に1回、売却に関する活動報告が義務付けられているため、自分の物件がどのくらい問い合わせされているかなどを知ることができます。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、専任媒介契約に加えて、売主が自ら売却を行うこともできない契約です。物件の売却に専念する業者との独占的な提携ができるため、信頼関係も一層強化されるでしょう。活動報告は1週間に1回義務付けられており、より透明性の高い売却活動が期待できます。

媒介契約の期間

不動産媒介契約には特定の期間が設定されます。媒介契約の種類によって定められる期間が異なりますので、確認が必要です。

一般媒介契約の期間

一般媒介契約の期間は、法律上定められていません。しかし、一般的には3ヶ月以内とされています。不動産会社によっては、2ヶ月や4ヶ月といった期間を設定しているところもあります。期間について希望がある場合は、不動産会社に相談してみると良いでしょう。

専任媒介契約・専属専任媒介契約の期間

専任媒介契約・専属専任媒介契約の期間は、3ヶ月以内と定められています。売主は他の不動産会社に仲介を依頼することができないため、1社に絞って依頼することになります。3ヶ月で売却まで至らなかった場合には、契約の更新または別の不動産会社との新たな契約締結をすることにより、売却活動が継続できます。

契約の解除条件

不動産媒介契約には解除条件が含まれています。以下は、一般的な不動産媒介契約の解除に関する情報ですが、具体的な条件は契約書により異なるため、契約書を確認することが大切です。

契約書の確認： 不動産媒介契約書には、解除に関する条件や手続きが明示されています。契約を解除する前に契約書をよく理解し、解除に関する事項を確認しましょう。
合意に基づく解除： 不動産媒介契約は通常、物件所有者と不動産仲介業者との間で合意に基づいて成立します。そのため、解除も両者の合意により行われることが一般的です。物件所有者と不動産会社が合意した場合、契約を解除することができます。
契約期間の終了： 不動産媒介契約の期間が終了する際には、追加の手続きなしに契約が終了します。引き続き媒介を依頼するには更新手続きが必要です。
重大な違反の場合の解除： 不動産会社が契約条件に重大な違反を犯した場合、物件所有者は契約を解除することができることがあります。具体的な契約違反や解除条件は契約書に明示されています。

契約書によっては、解除に関する詳細な条件や手続きが定められているため、契約を解除する前に契約書を確認し、適切な手続きを踏むようにしましょう。